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Atelier Hotel ORU(アトリエ ホテル オル)
所在地:大分県日田市川原町1番25号
主要用途:織工房、宿泊施設、住宅
工事種別:既存木造住宅の改修・用途変更
事業主:渡邊茂則、渡邊良枝
運営:Atelier Hotel ORU 渡邊陽香
染織作家:渡邊史織
設計監理:イジョー合同会社 伊藤憲吾
協働設計:室宏アトリエ 室宏
協働監理:久恒玄季建築設計事務所 久恒玄季
コーディネート:ブンボ株式会社 江副直樹
施工:有限会社櫻木総合建築 櫻木弘三郎
家具製作:家具工房木正舎
写真撮影:Yasu Kojima
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Atelier Hotel ORU(アトリエ ホテル オル)
<コンセプト>
大分県日田市の中心部に建つ、織工房・宿泊施設・住宅からなる複合建築である。昭和56年に建てられた木造住宅を、姉妹の新たな活動の場へと改修した。建物には移築された建材も使われており、建築年以前の記憶も残されている。家族の住まいとして、また一時期は学生寮として、多くの人々の暮らしを受け止めてきた場所である。その時間を引き継ぎながら、制作や宿泊、人々の交流という新たな営みを重ねることを目指した。
敷地は、間口約6.5mに対して奥行きが26mを超える細長い形状である。既存住宅には、建物の奥まで続く長い廊下があった。本計画では、その空間を約20mの通り土間へと再構成した。前面道路から玄関を入り、建物の奥へ進むと、背後の路地へと抜けていく。通り土間は各用途への動線であるとともに、宿泊者や作家、地域の人々が行き交う、まちの路地のような場所となっている。
1階には、妹である染織作家・渡邊史織の織工房と、打合せ室、宿泊室を配置した。2階には、姉の渡邊陽香が運営するもう一つの宿泊室と、住居を設けている。織工房と通り土間の間には大型の木製引き戸を設け、開け放つことで制作の場が建物全体へとつながる。糸を染め、織り上げる日々の営みが、訪れる人にとって地域のものづくりに触れる機会となる。
二つの宿泊室は、織物にちなみ「平(ひら)」「綾(あや)」と名付けられた。1階の「平」は、既存の床の間や和室の趣を活かした、落ち着きのある空間である。2階の「綾」は、白と黒が反転するような構成による、現代的な和の空間とした。異なる表情を持つ二つの部屋が、既存建築の記憶と新たな空間の可能性を伝えている。
林業のまちである日田の地域性を踏まえ、床や建具、手摺などには日田杉を用いた。木製建具は地域の職人が製作し、地域で育った木を、地域の技術によって建築へと還元している。既存の柱や梁、新たな木材、ラワン合板、土間、タイルなどを組み合わせることで、異なる素材と時間が共存する空間となった。小鹿田焼を洗面器に取り入れるなど、滞在の中で地域の文化に触れられることも大切にしている。
改修では、既存の構造躯体を活かしながら、必要な補修や補強を行った。断熱材の追加や内窓の設置によって、快適性の向上も図っている。また、解体や木部の塗装の一部は、施主や地域の人々が参加するワークショップとして実施した。建物をつくる過程を共有することで、完成後も手を入れながら使い続ける関係を育んでいる。
親から子へ受け継がれた住まいに、制作と宿泊、暮らしが重なる。通り土間で生まれる出会いは、日田のまちにある人のふれあいの延長でもある。建築の記憶と地域の資源、人々の営みを経糸と緯糸のように織り重ね、次の時代へとつないでいくリノベーションである。
<構造・工法>
主体構造:木造(既存躯体を活用、一部補修・補強)
<規模>
階数:地上2階建て
敷地面積:204.39㎡
延べ面積:228.62㎡
宿泊室数:2室(「平」「綾」)
<工程>
既存建築竣工:1981年(昭和56年)
設計期間:2024年9月~2025年8月
工事期間:2025年9月~2026年5月
<外部仕上げ>
屋根:既存仕様のまま
外壁:既存外壁を一部活用、新設部は天然木パネリング・窯業系サイディング
玄関:木製建具
窓:既存窓を活用し、一部内窓を設置(インプラス)
<内部仕上げ>
床:杉フローリング、モルタル金ゴテ押え+防塵塗装、既存タイル、一部塩ビシート・磁器タイル・畳
壁:ラワン合板、塗装、天然木パネリング、一部タイル・キッチンパネル
天井:塗装、一部既存梁・柱・2階床裏現し
建具・手摺:日田杉等を用いた製作
断熱:天井/グラスウール厚155mm、外壁/グラスウール厚105mm、床/グラスウールボード厚80mm
<設備機器>
便器:プレアスLSタイプ、アメージュシャワートイレ(LIXIL)
手洗器:オールインワン手洗(LIXIL)
シャワーユニット:NS(LIXIL)
浴室:リデア(LIXIL)
キッチン:UL25(LIXIL)
住宅洗面:エスタ(LIXIL)
宿泊室洗面:小鹿田焼(おんたやき)




























