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昭和ロマン蔵 東蔵リニューアル

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昭和ロマン蔵 東蔵リニューアル

所在地: 大分県豊後高田市新町989-1

公募型プロポーザル:昭和ロマン蔵リニューアル基本設計業務委託 採択事業

工事種別:改修工事

主要用途: 展示場

 

事業主:豊後高田市観光まちづくり株式会社 代表取締役 佐々木敏夫 担当 吹上幸司

企画:特定非営利活動法人 まち・文化再生プロジェクト 理事長 釘宮 雄二 プロデューサー 岩田 展明

 

意匠設計:伊藤憲吾建築設計事務所 担当 伊藤憲吾、高田明日香

協働設計: 室宏アトリエ 室宏

構造設計: きいぷらん 山下智

施工:株式会社 佐々木建設 代表取締役 佐々木康介 担当 中園

写真撮影:原大地ケンチク設計室 原大地

  • Copyright ©: 2026 Ito Kengo Architects All rights reserved
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大分県豊後高田市にある「昭和ロマン蔵」の一部リニューアルプロジェクトである。

豊後高田市は「昭和の町」として全国的に知られ、往時の町並みを活かした町おこしから20数年が経過している。本施設「昭和ロマン蔵」は町の中心に位置し、古い米蔵を平成14年(2002年)に改修して以降、継続的に活用されてきた。施設の更新時期を迎えたことからリニューアルが検討され、公募型プロポーザルにより私たちのチームが採択された。

 

昭和ロマン蔵は昭和30年代をモチーフとした展示施設である。本計画では、昭和40〜50年代に焦点を当て、当時の「遊び」を体感できる場の構築を試みた。

 

計画にあたり重視したのは、町並みの「再現」ではなく、記憶や身体感覚に働きかける「体験」である。町全体にすでに本物の昭和風景が存在するこの場所において、表層的な再現は本質的ではないと考えた。そこで既存建物内に木造のグリッドフレームを挿入し、遊びの場面が連続的に展開する空間装置を計画した。組子を想起させる立体的な木造フレームは、子どもたちの感情や行動を誘発し、場に多様な居場所と視線の関係を生み出している。

 

内部には、畳、襖、障子といった昭和的要素を取り入れている。これらは地元職人の協力により、当時の本物の部材や技術によって実現した。時代に根差した素材や手仕事をそのまま用いることが、空間の実在性と身体的な説得力を高めると考えたためである。

 

一方で、この過程は地域の職人文化の現状を強く意識する契機ともなった。維持管理や修繕の場面が減少し、耐久性や効率性が優先される現代において、手入れを前提とした技術や素材の居場所は確実に縮小している。建築の進歩とは何か、昭和の時代と比較して私たちは本当に豊かになったのかという問いが、本計画の背景には存在している。

 

過ぎ去った時代を単なる郷愁として消費するのではなく、現在と未来を考えるための視点として捉え直すこと。この施設で見て、触れて、体感する経験が、次の時代を思考する契機となることを期待している。

 

昭和ロマン蔵HP :https://www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/

 

構造・工法

主体構造: 木造

 

規模

改修面積:56.92㎡

 

工程

設計期間 2023年7月~2023年11月

工事期間 2023年11月~2024年2月24日

 

内部仕上げ

床: 杉フローリング、畳

柱、梁:杉

建具:襖、障子